基礎知識・専門用語・手順を解説

複数あるシステム開発の手法の中でも、少人数のチームで大きなプロジェクトを成し遂げたいときに有効なのがスクラム開発です。

そこで、この記事ではスクラム開発の基礎知識として、専門用語や開発手順を解説します。

スクラム開発の概要

スクラム開発への理解を深めるために、まずはその概要を理解しましょう。

しかし、その前にスクラム開発の前提知識となるアジャイル開発について知る必要があります。

・【前提知識】アジャイル開発とは
・スクラム開発とは

【前提知識】アジャイル開発とは

アジャイル開発は、アプリ・システム・ソフウェアなどの開発に用いられる手法です。

アジャイルとは英語で「素早い」「機敏な」という意味合いを持ち、プロダクトを小単位に区切って開発を進めていきます

要件定義・設計・開発・テストなどの工程を高速で進めることができ、言葉どおり素早く短期間でプロダクトを仕上げられる開発手法です。

スクラム開発とは

本記事の題材であるスクラム開発は、アジャイル開発の中の1種として位置づけられます。

少人数のチームを組み、タスクや役割を分散して開発を進めていくのがスクラム開発の特徴です。

なお、ラグビーのスクラム(選手が肩を腕を組み合って並ぶこと)が語源となっており、スポーツチームのように連携が取れたチームワークが求められる開発手法だといえます。

それぞれの担当者が同時進行で自身の担当領域を進めていくため、効率的に作業を進められるのがスクラム開発の利点です。

しかし、その分チーム間の円滑なコミュニケーションが求められ、「何がどこまで進んでいるのか」「いつまでに何をどうする必要があるのか」といった情報交換を密にする必要があります。

スクラム開発で使用される用語集

スクラム開発は、専門用語を使われることが頻繁にあります。

チーム内のコミュニケーションを円滑におこなうためにも、下の表を参考に用語の意味合いを把握しておきましょう。

用語意味
スプリント最終的に成し遂げるプロジェクトを、小単位に区切ったもの
スプリントプランニングスプリント内での作業計画のこと
デイリースクラムスプリントの進捗やトラブルの有無を確認するミーティングのこと
スプリント・レトロスペクティブスプリントの仕上がりや改善点を確認する振り返りミーティングのこと
プラダクトバックログプロダクト開発に必要なタスク・作業工程に優先順位をつけてリスト化したもの
プロダクトバックログ・リファインメントプロダクトバックログの項目・優先順位について見直しをおこなうこと
スプリントレビュースプリントの仕上がりをステークホルダーに確認してもらい、フィードバックをもらうこと

スクラム開発の手順

スクラム開発の手順

スクラム開発は、以下の手順に沿って進めていきます。

1.バックログの作成・整理
2.スプリント計画
3.デイリースクラム
4.スプリントレビュー・フィードバック
5.振り返り

1.バックログの作成・整理

スクラムマスター(スクラム開発におけるチームリーダー)が、プロダクト開発に必要なバックログ(タスク・工程)を作成します。

洗い出したバックログに優先順位をつけ、やるべきことを整理していきます

プロダクトバックログが完成したら、それぞれの工程を担う担当者を振り分けていきます。

2.スプリント計画

振り分けられたスプリントごとに、スプリント内の作業工程を決めていきます

もちろん、ここでも優先順位をつけ、スプリント内で担当者を振り分けることも必要です。

3.デイリースクラム

デイリースクラムは、各スプリントごとの進捗・問題点を確認・共有するミーティングです。

基本的には毎日同時刻から開始し、5分~15分ほどの短時間で完了させます。

ここでの情報共有が疎かになると、スクラム開発の最大の目的である短期間でのプロダクト開発の実現が難しくなるはずです。

4.スプリントレビュー・フィードバック

スプリント期間の終盤に、スプリントの仕上がりをスクラムマスター・プロダクトオーナー・ステークホルダーなどに確認してもらいます。

そこでもらったフィードバックの内容によって、①②などの工程からより良いプロダクトの作成を目指して作業を進めていきます

5.振り返り

スプリントの最終日に、全体的な振り返り・共有・反省などをおこないます。

うまくいった点や課題を洗い出し、それぞれの要因を共有することで、次回のスプリントに活かすのが目的です。

まとめ

スクラム開発とはアジャイル開発の一種で、プロダクト開発の工程をチーム内で分割し、同時進行で進めていく手法です。

各工程を同時進行で進めていくため、短期間での素早いプロダクト開発を実現できます

ただし、チーム内で作業を分担して進めていくだけに、担当者間で密度の高いコミュニケーションをとっていく必要があります。

少人数のチームでプロダクト開発を進めていく際に、ぜひ取り入れてみてください。

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