昨今はAIの研究と開発が急速に進み、ChatGPTをはじめ一般的に利用されるAIも登場しました。そのため、一部では「まもなくAGIも登場するのではないか」と話題になっています。
本記事では、AGIの基本情報をはじめ、どのような影響を与えるかについて解説します。興味を持った方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
AGIとは
そもそもAGIとは、Artificial General Intelligence(人工汎用知能)の略です。
学習能力や意思決定能力など、人間のような汎用的な知能を有しているのが特徴ですが、残念ながら現在は研究段階で、実現はしていません。
従来のAIとの違い
従来のAIは、あらかじめプログラミングされた内容をもとに学習します。また、人間の脳の処理能力とそこまで大きな差はありません。
一方のAGIは、人と同じように自己学習と自己進化が可能です。そのため、複雑な作業も人間の代わりにこなせます。
AGIに期待されていること
AGIは依然として研究段階の存在ですが、実現した場合さまざまな活躍が期待されます。
具体的にAGIがどのような活躍を期待されているかは、以下のとおりです。
労働力不足の改善
AGIに期待されていることとして、労働力不足の改善が挙げられます。
日本では少子高齢化が進行して久しいですが、労働人口の減少も問題となっています。AIの登場によって多少状況は改善されていますが、まだ限定的なタスクしか任せられません。
もしAGIの開発に成功すれば、医療、環境、経済など多岐にわたる分野のカバーができます。
DX化の推進
DX化の推進も、AGIが期待されていることの1つです。
現在政府主導でDX化が推進されていますが、経済産業省のレポートに記載されているように、DX化が遅れた場合、深刻な経済損失を招く可能性が高まります。
既存のAIも、DX化を推進に貢献してくれています。しかし、AGIはそのスピードをさらに早めてくれると考えられています。
AGIが社会にもたらす影響
AGIの登場はDX化の推進をはじめ、社会にさまざまなプラスの影響を与えると予想されています。一方で、AGIが社会にマイナスの影響を与えるのではないかと警告する方も多いです。
以下では、AGIが社会にどのような影響をもたらすかについて解説します。
技術的特異点の到来
AGIが社会に与える影響として、技術的特異点の到来が挙げられます。
技術的特異点の到来とは、技術の進歩が制御不能かつ不可逆となり、人類文明に深刻かつ予測不可能な変化をもたらすという理論上のシナリオのことです。シンギュラリティとも呼ばれており、労働市場や社会制度の変化、人間とAIの境目が曖昧になるなど、さまざまな影響が予想がされています。
法整備
AGIの登場によって、法整備にも影響を与えるのではないかと考えられています。
昨今はさまざまな分野でAIが活用されていますが、一方でAI関連の法整備は追いついていません。とくに生成AIにまつわる問題がSNS上を中心に活発に議論されており、法整備を通じて第三者に権利を侵害されないようにする必要があります。
AGIが登場した場合も、個人のプライバシーを保護しつつ、技術の発展を妨げないような法律、規制の整備が進められるでしょう。
AGIの開発事例
最後に、AGIの開発事例を紹介します。
OpenAI
OpenAIは、アメリカのサンフランシスコに本拠地を置いている非営利研究機関です。
日本でも高い知名度を誇りますが、すでにAGI実現への短期および長期のロードマップを発表しています。
Google DeepMind
Googleが統合して設立した、最新のAI研究機関です。
2010年創業のDeepMind社は、AIとしてはじめてプロ棋士を破ったAlphaGoを開発した実績を持っており、今後さらにさらに多くのAIイノベーションを起こすと期待されています。
株式会社NOVIUS
株式会社NOVIUSは、世界に貢献できるAI技術の開発を目指している企業です。
AGIの開発に着手したことを2023年に公式サイトで発表し、注目を集めています。具体的には、人の感性と思考力を持つAGIの開発に着手しているようです。
まとめ
AGIとは、AIのなかでも限りなく人間に近い、もしくは超える存在です。そのため、人間の生活にも影響を与える可能性が指摘されています。
現在さまざまな企業が開発に着手しており、将来私たちの身近な存在になるかもしれません。