ターゲットとペルソナは、ともに企業が自社の商品・サービスを届けたい対象を指す言葉です。
両者の意味合いは明確に違いますが、正確に理解できていない方も多いでしょう。
そこで、この記事ではターゲット・ペルソナの定義・目的・設定方法を解説します。
目次
ターゲットとペルソナの違い
企業者が自社の商品・サービスを届けたい対象という意味ではターゲットもペルソナも同じです。しかし、両者はその対象となる範囲や解像度が違います。
それぞれの定義と具体例を確認しましょう。
・ターゲットとは ・ペルソナとは ・ターゲットとペルソナの具体例 |
ターゲットとは
ターゲットとは、企業が商品・サービスを届けたいユーザーの属性を示す言葉です。
例えば「30代男性」「既婚者」「北海道在住」といった具合に、ある共通点を持つ不特定多数の層を指すのがターゲットです。
ペルソナとは
ペルソナは、ターゲットの中の具体的な1人、それも架空の人物像を定義するものです。
ターゲット設定に用いる年齢・性別・居住地などの属性の他に、その人物の価値観やライフスタイルなどを定義します。
ターゲットとペルソナの具体例
具体例として、飲料メーカーがビールを開発するシーンを仮想して設定してみましょう。
ターゲット | ペルソナ |
---|---|
20代前半女性 会社員 ビールに興味を持ち始めた | 名前:山下麗奈 年齢:23 職業:IT企業の事務職(1年目) 最終学歴:私立の女子大卒 居住地:東京都練馬区 同居人:ハムスター1匹 趣味:旅行、新大久保にいくこと、ジム通い、動画鑑賞 恋人の有無:大学時代から交際中の彼氏と別れそう タバコ:吸わない お酒:学生時代はカクテルを嗜む程度。社会人になってからビールを飲むようになった。 |
このように、ターゲットはユーザーの属性のみを設定するのに対し、ペルソナは実在する人物であるかのように、具体的な人物像を設定します。
ターゲット・ペルソナを設定する目的
続いて、ターゲット・ペルソナを設定する目的を解説します。
・ターゲットを設定する目的 ・ペルソナを設定する目的 |
ターゲットを設定する目的
ターゲットを設定する目的は、商品・サービスなどの方向性を定めて経営資源を集中させるためです。
前章で解説した飲料メーカーの例でいうと、ただ単純に「新しいビールを開発しよう」というだけでは、顧客の心を打つ商品を開発するのは難しいでしょう。
ビールは20代前半の大学生やOLから、還暦を過ぎた年配の方までが嗜むもの。
例で挙げたように「20代前半女性」というターゲットを決めることで、商品の方向性をターゲットのニーズに寄せることができます。
また、ターゲットのライフスタイルなどを想定したうえで、有効なプロモーション戦略を練ることも可能です。
ペルソナを設定する目的
ペルソナを設定する目的は、よりユーザーライクな商品・サービスの開発や、プロモーション戦略をするためです。
それと同時に、社内・チーム間の認識のズレを防ぐという目的もあります。
先ほどの例でいうと、「学生時代はカクテルを嗜む程度」との設定をすることで「では、フルーティーな味わいのビールの方が好まれるかもしれない」といった仮説を立てられます。
また、「20代前半女性」というターゲットを設定しただけでは、開発チームと営業チームで認識のズレが生じる可能性もあるでしょう。
明確な人物像を設定することで、「テレビはほとんど見ないのでは?」などの仮説を立てられ、より効果的なプロモーション戦略を策定できます。
ターゲット・ペルソナの設定方法
最後に、ターゲット・ペルソナの設定方法を解説します。
・ターゲットの設定方法 ・ペルソナの設定方法 |
ターゲットの設定方法
ターゲットを設定する際は、以下の手順で進めていきます。
- 市場や顧客を属性ごとに整理し、グループ分けする
- ターゲットとなる顧客層を選ぶ
最初にすべきことは、市場や顧客のグループ分けです。
「40代男性」「東京都在住」など、属性ごとに分類する作業をセグメンテーションといいます。
複数のセグメントに分類することで、自社が狙うべきターゲット層が見えてきます。
ペルソナの設定方法
ペルソナを設定する際も、まずはターゲット設定と同じ手順を踏みます。
ターゲットを設定できたら、その中の1人の人物像を具体的にイメージし、各設定していきましょう。
その際は、自社の都合だけで「理想の顧客像」を作らないように注意してください。
ペルソナは、あくまでも「典型的な顧客像」を設定するべきです。
そうすることで、自社に対してのニーズを持つ顧客に対して、的確なアプローチをとることができます。
ペルソナ設定に関する基礎知識を、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
>>>>ペルソナ設定の方法を3ステップで解説!基礎知識から注意点まで
まとめ
ターゲット・ペルソナは、どちらも企業が商品・サービスを届けたい対象を指す言葉ですが、その範囲や解像度が違います。
ターゲットは属性のみを指定するのに対して、ペルソナは架空の具体的な人物像を設定します。
ペルソナを設定し、より的確なマーケティング活動をおこなっていきましょう。
デジタル領域でのお困り事やプロダクト開発について、まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら