STP分析とは、マーケティング活動における重要なフレームワークのひとつです。
この記事では、STP分析をわかりやすく解説します。
精度の高いマーケティング活動を推進していくため、ぜひ参考にしてください。
目次
STP分析とは?
STP分析とは、以下の3つの要素を分析・明確化し、マーケティング戦略を策定していくことを指します。
- セグメンテーション(市場を細分化する)
- ターゲティング(細分化した市場の中からターゲットを決める)
- ポジショニング(市場の中での自社のポジションを明確化する)
1970年代にアメリカの経済学者フィリップ・コトラーによって提唱されました。そして、現代でも世界中で広く使われています。
STP分析についての理解を深めてもらうため、以下の2点について解説します。
・STP分析をおこなう目的 ・STP分析をおこなうメリット |
STP分析をおこなう目的
STP分析をおこなう目的は、競争が激しい市場の中で自社のポジションを明確にし、シェアを獲得するためです。
もちろん、その上位概念には「利益の最大化」「理念の実現」といったものがあります。
つまり、STP分析は上位概念を達成するための手段の1つになるでしょう。
STP分析をおこなうメリット
以下の3つの要素への理解が深まることが、STP分析をおこなう大きなメリットです。
- 市場における顧客のニーズ
- 広義の市場の中で、自社が狙うべきターゲット層
- 自社の強み・他社との差別化ポイント
これらの理解が深まると、より効果的なプロモーション戦略を立案することができます。
逆に、STP分析をおこなわずにいると、「顧客が何を求めているのか」「どの市場に向けて開発や訴求をするべきか」「自社が競合よりも優れているのはどこか」が把握できません。結果として、ぼんやりとしたマーケティング活動をおこなうことになるでしょう。
STP分析の具体的な進め方
STP分析は、原則として以下の手順で進めていきます。
①セグメンテーション ②ターゲティング ③ポジショニング |
とはいえ、これらの要素は全て連動しています。そのため、必ずしもこの順番にこだわる必要はありません。
順番を入れ替えて考えることで、新たな発想が生まれることもあるでしょう。
①セグメンテーション
セグメンテーションとは、広い市場を顧客の特性やニーズの類似点・共通点ごとに分類していく作業のことです。
分類基準 | 概要 |
---|---|
地理的変数 | 地域・天気・人口密度などの地理的な軸 |
人口動態変数 | 年齢・性別・職業・国籍などの人の属性的な軸 |
心理的変数 | 顧客の性格・価値観・悩み・ライフスタイル |
行動変数 | 顧客の購買履歴や利用頻度などの行動データ |
一般的に、セグメンテーションは上記の4つの指標を用いておこないます。
そこから次のターゲティングに繋げるために、以下の4つの軸を用いて分析を深めるとなお効果的です。
分析基準 | 概要 |
---|---|
優先順位 | 分類した各セグメントの優先順位 |
有効規模 | 対象となるセグメントの市場規模や、その市場において成長を見込める度合い |
到達可能性 | そのセグメントに自社の商品・サービスを届けられる可能性 |
測定可能性 | そのセグメントにいる顧客からの反応を測定し、PDCAサイクルに活かせる可能性 |
セグメンテーションについては、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
>>>>セグメンテーション分析とは?具体的なやり方を2ステップで解説
②ターゲティング
ターゲティングとは、セグメントした市場の中から自社が狙うべきターゲットを見定める工程のことです。
以下の3つの指標を用いて、マーケティング活動をイメージしながらおこないます。
指標 | 概要 |
---|---|
無差別型マーケティング | 市場を絞らずに、全体に向けて同じ商品・サービスを同じプロモーション方法で訴求する |
差別型マーケティング | 細分化したそれぞれの市場に合わせて、異なる商品・サービスを訴求する |
集中型マーケティング | 特定のセグメントにターゲットを絞って商品・サービスを提供し、市場シェアの獲得を目指す |
商品・サービスの強みを最大限に活かせる市場、ブランドイメージ・コンセプトに合う市場を見極めて的を絞ることで、マーケティングの精度を高めていきます。
③ポジショニング
ポジショニングは、市場の中で自社の立ち位置を明確にする工程です。
ということは、同じ市場内にいる競合のことを深く知る必要があります。
その工程を踏むことで、自社の優位性の確保に繋がるはずです。
ポジショニングについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
>>>>ポジショニングとは?マーケティングにおける基本と例をご紹介
STP分析と併せて活用したいフレームワーク
最後に、STP分析と併用して活用されることが多いフレームワークを2つ紹介します。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社に対する理解を深め、マーケティング活動の精度をあげるためにおこないます。
SWOT分析 | 概要 |
---|---|
Strength | 強み |
Weekness | 弱み |
Oppotunity | 機会 |
Threat | 脅威 |
自社に対する理解を深められることが特徴です。よって、STP分析のターゲティング・ポジショニングと併せて取り組むと効果的です。
4P分析
4P分析とは、その名のとおりPから始める4つの項目を深堀り・検討することです。そして、マーケティング戦略の立案に繋げます。
4P分析 | 概要 |
---|---|
Product | 製品・サービス |
Price | 値段 |
Place | 販売場所・提供方法 |
Promotion | 販促活動 |
4P分析は、競合を分析して自社の優位性を確認する際や、ターゲットに合わせたマーケティング施策を立案するのに効果的です。
まとめ
STP分析とは、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3項目について分析・理解を深めること。そして、マーケティング活動の効率を高めていく作業のことを指します。
市場の中で自社の優位性を確保し、シェアを獲得していくために欠かせないフレームワークです。
また、SWOT分析・4P分析と併せて利用することで、より精度の高いマーケティング活動をおこなうことができます。
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