ペルソナ設定は、マーケティング活動の中でも重要なプロセスの1つです。
しかし、その具体的な進め方がわからずお困りの担当者の方も多いでしょう。
そこで、本記事ではペルソナ設定の方法・基礎知識・注意点を解説します。
目次
ペルソナ設定とは?
ラテン語で仮面を意味するペルソナは、ビジネスやマーケティングにおいて「架空の典型的な顧客像」を指します。
ペルソナを設定することで、自社の商品・サービスを販売する顧客の心理をイメージしやすくなります。
よって、顧客視点でマーケティング活動を進めることができ、売り上げや利益をアップさせたり、顧客満足度を高めたりすることができるわけです。
ペルソナ設定の基礎知識として、以下の4点についても把握しておきましょう。
・ペルソナとターゲットの違い ・ペルソナ設定をするのはこんなとき ・ペルソナを設定するメリット ・ペルソナ設定でよく使われる項目例 |
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットは混同されがちな言葉です。しかし、両者はその「詳細さ」に大きな違いがあります。
ペルソナ・ターゲット | 概要 |
---|---|
ペルソナ | 架空の人物像として、細かな項目まで設定する (名前・性別・年齢・職業・年収・趣味などなど) |
ターゲット | 大まかな属性のみを設定する (30代前半の独身女性など) |
いわば、ペルソナはターゲットとして設定した大まかな属性の中の、具体的な1人の人物像を指します。
そうすることで、より具体性を持ったマーケティング活動ができます。
ペルソナ設定をするのはこんなとき
ペルソナ設定は、主に新しい商品やサービスを開発する際におこなわれます。
もしくは、既存の商品を改善する際や宣伝・販売の手法を再検討する際も効果的です。
ペルソナ設定では、その人物のライフスタイルや趣味、さらには抱えている悩みや必要としている商品像などを、明確にイメージします。
そこから逆算して開発を進めることで、ペルソナが「これが欲しかった!」と思えるような商品・サービスを提供できるわけです。
宣伝や販売方法も、ライフスタイルに合わせてより効果的な手法をチョイスします。
ペルソナを設定するメリット
ペルソナを設定することには、以下のように企業にとって大きなメリットがあります。
- 開発チームや部署間で顧客像の共通認識ができる
- 顧客の需要に合わせた商品開発ができる
- マーケティング活動の精度を高められる
- 時間・費用のコストカットが期待できる
これらのメリットの先に、「利益の拡大」「企業理念の実現」といった企業にとって最大の目的の達成があります。
ペルソナ設定は、企業が存在意義を果たすために欠かせない要素といえるでしょう。
ペルソナ設定でよく使われる項目例
ペルソナ設定でよく使われる項目として、以下のものが挙げられます。
- 基本情報(名前・性別・年齢・居住地など)
- 家族構成
- 職業
- 年収
- 趣味
- よく行く場所・エリア
- 価値観
- テレビ・ネットなどの情報収集の習慣
- 悩みごと
もちろん、ペルソナとして設定すべき項目は、企業の業種や商品・サービスのジャンルによっても変わってくるでしょう。
例えば、アパレル企業なら「好きなブランド」や「服装のジャンル」なども必要でしょうし、悩みごともファッションに関する悩みを想像する必要があります。
また、各項目を設定するだけでなく、イラストや写真などで視覚情報としてのペルソナを作ると、チーム間でイメージを共有しやすくなるでしょう。
ペルソナ設定の方法3STEP
ペルソナを設定する際は、下記の3ステップに沿って進めていきます。
①アンケート・ヒアリング・ネット調査などで情報を収集する ②収集した情報をグループ分けする ③具体的な人物像を構築し一覧表にまとめる |
①アンケート・ヒアリング・ネット調査などで情報を収集する
まずはペルソナの大元となる、さまざまなデータ・情報を収集します。
- 既存顧客へのアンケート調査(店頭・メール・SNSなどでおこなう)
- 社内データの分析
- 統計調査データ
- 検索エンジン・SNSを使った調査
上記のように、複数の箇所からデータを持ち寄ることで、より詳細な人物像をイメージすることができます。
②収集した情報をグループ分けする
次に、収集したデータ・情報をグループ分けします。
グループ分けする際は、以下の3つの項目ごとにグルーピングするのが一般的です。
項目 | 概要 |
---|---|
デモグラフィック | 年齢・性別・職業・家族構成などの属性 |
サイコグラフィック | 趣味・価値観・ライフスタイル・興味などの心理的項目 |
ビヘイビアル | 購入場所・購入履歴・情報収集方法など行動学的項目 |
上記のような項目に沿ってグルーピングすることで、次第に典型的な顧客の人物像が見えてくるはずです。
③具体的な人物像を構築し一覧表にまとめる
最後に、グルーピングしたデータをもとに具体的な人物像を構築し、一覧表にまとめていきます。
実在する人物のプロフィールをまとめるかのように、具体的な人物像を構築していきましょう。
例えば、一言でライフスタイルといっても平日・休日で違うはずですし、悩みごとは複数が挙がるはずです。
架空の人物像なので、何か正解があるわけではありませんが「こういう人いるよね」と思えるレベルまで明確にイメージすることが大切です。
ペルソナを設定する際の注意点
最後に、ペルソナ設定する際の注意点として、以下の3つを解説します。
・正確なデータを収集する ・「理想の顧客像」ではなく「典型的な顧客像」を設定する ・定期的に見直し、アップデートする |
正確なデータを収集する
ペルソナ設定のファーストステップである情報収集は、必ず正確なデータを集めてください。
ここを疎かにしてしまうと、ペルソナが本来の顧客像とはズレたものになってしまいます。
特に、統計調査結果など外部から情報を引用する際は、その情報の信頼性に注意した方がいいでしょう。
「理想の顧客像」ではなく「典型的な顧客像」を設定する
ペルソナ設定のよくある失敗として、自社の都合に合わせた「理想の顧客像」を設定してしまう傾向があります。
理想をベースにペルソナを設定してしまうと、現実の市場や顧客ニーズとの乖離が生じてしまうはずです。
ペルソナ設定は、あくまでも典型的で現実的な人物像をイメージして設定してください。
定期的に見直し、アップデートする
設定したペルソナは、定期的な見直し・アップデートが必要になります。
世間の変化に合わせて、消費者の心理や行動にも変化が起きる可能性があるからです。
数年前に設定したペルソナをいつまでも活用していては、顧客ニーズを満たせない商品・サービスの開発をしたり、的外れなマーケティング施策を施行したりといった事態になりかねません。
まとめ
ペルソナ設定とは、「架空の典型的な顧客像」を設定することを指します。
マーケティング活動の基本中の基本にして、非常に重要なプロセスの1つです。
正確なデータ・情報を元にして、自社の典型的な顧客像を明確にイメージしましょう。
なお、ペルソナを活用した効果的なマーケティング活動の1つとして、カスタマージャーニーマップの作成があります。
以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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