アプリ開発フレームワークの「Flutter」をご存じでしょうか。名前を耳にしたことがあっても、具体的にわからない方もいるでしょう。

そこで、今回はFlutterについて初心者向けに解説していきます。

基礎知識やメリット・デメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

Flutterとは

Flutterとは、2018年にGoogleによって開発された、モバイルアプリ開発用フレームワークです。

同じくGoogleによって2011年に開発されたプログラミング言語Dart（ダート・アーツ）を使用し、開発を進めていきます。

コードの実行パフォーマンスに優れたDartを使用することで開発の生産性を高められ、大規模なアプリ開発をおこなえるのがFlutterの特徴です。

Flutter製のアプリは世界で15万種類以上が開発されています。よって、今最も注目されているフレームワークの1つだといえます。

Flutterでアプリを開発するメリット

アプリ開発をFlutterで進めるメリットとして、以下の3点が挙げられます。

・iOS/Androidのアプリを一度に開発できる ・どのプラットフォームでも同じUIデザインを実装できる ・ネイティブアプリのようなUIコンポーネント・パフォーマンスを実装できる

iOS/Androidのアプリを一度に開発できる

Flutterを使用すれば、iOS・androidそれぞれのアプリを一度に開発できます。

よって、開発にかける時間やコストを大幅に削減できるのがメリットです。

また、iOS・androidｓろれぞれのアプリのコードが一貫されるため、バグの発見や改善も容易におこなえます。

どのプラットフォームでも同じUIデザインを実装できる

Flutterでのアプリ開発は、iOS・androidそれぞれのプラットフォーム固有デザインを意識する必要がありません。

どのプラットフォームでも同じUIデザインを実装できるため、プラットフォームごとのUIデザインを一貫させる方法を考える手間を省けます。

ネイティブアプリのようなUIコンポーネント・パフォーマンスを実装できる

Flutterで開発したアプリは、ネイティブアプリと比較しても遜色がない操作性・表現力を発揮します。

ユーザーが高い満足度を得られるUIコンポーネントが実装され、ユーザーからの評価がアプリのダウンロード数の伸びにも直結するはずです。

Flutterでアプリを開発するデメリット

Flutterでのアプリ開発には前章で解説した大きなメリットがあります。一方で、以下のデメリットも存在します。

・OSの独自機能の実装は個別の対応が必要 ・利用できるライブラリやプラグインが少ない

OSの独自機能の実装は個別の対応が必要

FlutterではiOS・androidそれぞれのアプリを一度に開発できますが、OS独自機能を実装する際は個別の対応が必要になります。

例えば、カメラの起動や通知の設定などです。

よって、OSの独自機能を実装する場合は、それらのコード管理をする手間が増えます。

利用できるライブラリやプラグインが少ない

2018年に開発されたFlutterは、今のところ利用できるライブラリやプラグインがそう多くはありません。

よって、適切なライブラリやプラグインがない場合は、アプリの開発に想定以上の時間を要してしまう可能性があります。

Flutterでアプリを開発する手順

Flutterでのアプリ開発は、以下の手順に沿って進めていきます。

1.Flutterをインストールする 2.開発環境を整える 3.アプリを開発する 4.アプリをリリースする

1.Flutterをインストールする

まずは、Flutterの公式サイトからSDK（ソフトウェア開発キット）をダウンロードします。

ダウンロードしたファイルを解凍し、所定のディレクトリに配置するだけです。

ただし、MacにFlutterをインストールする場合は、ディレクトリに配置した後にpathを通す作業が必要になります。

2.開発環境を整える

Flutter SDKを実装後、さらにAndroid StudioやVisual Studio Codeなどのツールをインストールし、アプリの開発環境を整えます。

これらのツールを導入することで、作成したコードの実行確認をPC内でおこなうことができ、開発の手間を削減できます。

3.アプリを開発する

準備が整ったら、いよいよアプリを開発していきます。

1. Flutterでプロジェクトを作成
2. アプリシミュレーターを起動
3. 開発スタート

前述したように、コーディングにはGoogleが開発したプログラミング言語Dartを使用します。

4.アプリをリリースする

アプリが完成したら、Apple・Googleにそれぞれ申請を出し、アプリをリリースしましょう。

iOSアプリは、Appleデベロッパープログラムに登録後、リリースを申請します。

androidアプリは、Google Playにリリース申請をおこなってください。

まとめ

FlutterはGoogleが開発したモバイルアプリ開発フレームワークです。そして、iOS・androidのアプリを一度に開発できるのが大きなメリットです。

コーディングには、Googleが開発したプログラミング言語Dartを使用します。

また、ネイティブアプリと比較しても遜色のないUIコンポーネントの実装が可能です。よって、ユーザーに高い満足度を与えられるアプリが開発できるでしょう。

アプリ開発の際は、選択肢の一つとしてぜひ持っておきましょう。