さまざまな業種・職種においてAIが導入されている昨今ですが、マーケティングの分野においても例外ではありません。

ユーザーからの質問にAIが対話形式で回答してくれるChatGPTは、マーケティング活動の効率を飛躍的に高められる可能性を秘めています。

そこで、この記事ではChatGPTをマーケティングに活用する際の例やコツをお伝えします。

ChatGPTとは？

ChatGPTとは、米国のOpenAI社が開発した大規模言語処理モデルといわれる技術を駆使した生成系AIツールです。

AIが学習した膨大な量のデータを元に、ユーザーが入力した質問事項に対して適切な回答を瞬時に出してくれます。

この記事で解説するようビジネス用途で利用されているのはもちろん、ちょっとした調べものをしたいときなど、プライベートで活用している方も多くいます。

ChatGPTをマーケティングに活用する際のプロンプト作成のコツ

ChatGPTは、ユーザーからの質問を受けて初めて作動します。

その質問文・命令文のことをプロンプトといい、プロンプトの精度がChatGPTからの回答の精度に大きく影響を与えます。

つまり、ChatGPTから適切な回答を得るためには、それに適した質問を投げかける必要があるわけです。

ChatGPTをマーケティングに活用する際のプロンプト作成は、以下の3点を意識して作成してください。

・質問文は具体的・明確に ・背景・目的・立場を指定する ・条件を指定する

質問文は具体的・明確に

意味合いが曖昧な質問文を投げかけては、ChatGPTから適切な回答を得ることはできません。

何をどの範囲で知りたいのかなどを、具合的かつ明確に投げかける必要があります。

人と人との会話では、言葉に含まれるニュアンスや、相手との関係性などから言葉の裏側の真意を読み取ったりすることもありますが、ChatGPTにそれを察することはできません。

背景・目的・立場を指定する

より適切な回答を得るために、その質問をする背景や目的、そして回答者としての立場を指定することが大切です。

例えば、美味しいハンバーグの作り方を質問するにしても、以下のような背景・目的・回答者の立場が考えられます。

質問者	背景	目的	回答者の立場
Aさん	新宿にハンバーグ屋さんを出店する	サラリーマンの常連客を獲得したい	一流レストランのシェフ
Bさん	子どもへのご褒美にハンバーグを作ってあげる	子供に喜んでもらいたい	主婦から人気の料理研究家

仮に、Bさんの立場なら以下のように質問を投げかけます。

あなたは、主婦から人気を集めている料理研究家です。 子どもへのご褒美にハンバーグを作ろうとしている主婦のために、ハンバーグのレシピを教えてください。

このように、背景・目的・回答者の立場を指定してプロンプトを作成することで、より精度の高い回答を得られるのがChatGPTの仕組みです。

条件を指定する

ChatGPTからより実践ベースに合わせた回答を得るためには、条件を指定するのが効果的です。

例えば、先ほどのハンバーグの例でいえば「30分以内に作れる」や「初心者でも簡単に作れる」といった条件を指定します。

ChatGPTをマーケティングに活用する際は、例えばデータの出力形式を「表で」や「箇条書きで」などと指定するシーンなどが考えられます。

ChatGPTのマーケティング活用例6選

ここまでの内容を踏まえて、ChatGPTをマーケティングに活用する際の具体例を6つ紹介します。

・市場調査に活用する ・ニーズを分析する ・コンテンツやメールの文章を作成する ・商品のキャッチコピーを作成する ・営業先リストを作成する ・SNSマーケティングに活用する

市場調査に活用する

ChatGPTを活用すれば、人の手でやれば膨大な時間がかかる市場調査を瞬時におこなえます。

SNSや口コミサイトを確認したり、インタビューやアンケート調査をおこなったりといった手間を削減できるのは大きなメリットです。

例えば「〇〇社の2020年～2023年度の売上データを収集してください」「〇〇社の新商品の口コミは？」といった質問を投げかけるだけで、必要な情報を調達することが可能です。

顧客ニーズを分析する

市場調査に付随して、ChatGPTを活用して顧客ニーズを分析できます。

特定の業界や商品に関するニーズを把握できるのはもちろん、自社商品に関する口コミや顧客ニーズを収集することも可能です。

また、「SWOT分析」などのマーケティングのフレームワークに沿った分析を依頼することも可能で、自ら手間と時間をかけて分析作業をおこなう必要はありません。

コンテンツやメールの文章を作成する

ChatGPTを活用すれば、さまざまな文章を自動で生成できます。

例えば、顧客へのメールマガジンの文章や、検索上位の獲得を目指したSEOコンテンツを作成することも可能です。

ただし、ChatGPTで生成したテキストは、部分的な間違いがあったり、いかにも「AIで作りました」といった雰囲気の違和感を感じられたりするケースもあります。

よって、ChatGPTで生成したテキストをそのまま転載するのではなく、多少の編集・リライトは必要です。

商品のキャッチコピーを作成する

商品の売上を大きく左右するキャッチコピーですが、ChatGPTを活用すれば顧客への訴求力の高い文言を生成してくれます。

商品の特徴やベネフィットなどを的確に記載したプロンプトを作成し、文字数の目安も指定した方がより理想的なキャッチコピーを生成してくれるはずです。

多少のリライトは必要になるかもしれませんが、自身にはない発想・観点から魅力的なキャッチコピーの提案が期待できます。

営業先リストを作成する

ChatGPTに顧客情報データを同期させることで、優先順位を踏まえた営業先リストを瞬時に作成できます。

年齢や性別、過去の購入履歴などの属性を指定したうえで、表形式で出力してもらいましょう。

デスクワークの時間を大幅に削減でき、営業活動の効率アップに繋げられるはずです。

SNSマーケティングに活用する

ChatGPTに質問を投げかけることで、SNS投稿に適した時間帯や盛り込むべきキーワードなどを抽出することができます。

膨大な量のデータを元にした回答を得られるため、SNS発信をきっかけにコンバージョンや問い合わせなどの獲得が期待できるでしょう。

まとめ

ChatGPTは、さまざまな用途でマーケティングに活用できます。

多くの作業にかける労力を大幅に削減できるため、費用面的にも大きな効果があるはずです。

AI技術の進化するスピードは凄まじく、ChatGPTはこれからも時代の流れと共に進化していくでしょう。

ChatGPTの力を、あなたのよきビジネスパートナーとしてフル活用していきましょう。