カスタマージャーニーマップは、マーケティングの基本といえる手法の1つです。
顧客の心理や行動を理解し、それを「見える化」することが、カスタマージャーニーマップを作る主な目的となります。
そうすることで、個々の顧客の立ち位置・置かれている状況に合わせたアプローチをとることができるようになります。そして、最終的に売り上げの拡大へと繋がるでしょう。
この記事では、カスタマージャーニーマップを作る手順と注意点を解説します。
目次
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでのステップ、さらにはその各ステップに対して企業側が起こすアクションなどを可視化したものです。
横軸には、認知から購入に至るまでのステップを時系列に沿って記します。縦軸には、各ステップごとの顧客の心理や行動、企業と顧客のタッチポイント、起こすアクションなどを記載します。
「顧客を理解すること」は、マーケティングの基本といえます。
カスタマージャーニーマップによって顧客の心理に沿ったマーケティング施策を立案できるようになります。また、部門・部署間の認識のズレを修正するのに役立てられるはずです。
カスタマージャーニーマップを作る手順6ステップ
カスタマージャーニーマップの作成は、下記の6ステップに沿って進めていきます。
①目的を決める ②ペルソナを設定する ③顧客の購買プロセスに沿って横軸を決める ④縦軸に各ステップごとの顧客の心理・行動を書き出す ⑤顧客の行動プロセスごとのタッチポイントを洗い出す ⑥マーケティング施策を検討する |
①目的を決める
まず最初に、カスタマージャーニーマップを作成する目的を明確にします。
目的が曖昧なままカスタマージャーニーマップを作成しても、得たい成果を得られない、むしろ何を得たいのかすらも曖昧な状態になってしまうでしょう。
カスタマージャーニーマップを作成すること自体が目的になってしまうことは、避けなければなりません。
カスタマージャーニーマップの作成は、マーケティング活動を押し進めるための1つの手段に過ぎません。
なお、中長期的視点から大きな目的を定めれば、おのずとそれに基づいた短期的な目的・目標を定められるはずです。
②ペルソナを設定する
次に、自社の商品・サービスの理想的な顧客像となるペルソナを設定します。
カスタマージャーニーマップを作成する工程では、顧客が商品・サービスを認知するシーンから想定します。
そのため、その人物のライフスタイルや性格などを含めた具体的なペルソナを設定することが大切です。
あたかも実在するかのような詳細なペルソナを設定することで、顧客の購買プロセスや心理・行動を想像しやすくなります。
③顧客の購買プロセスに沿って横軸を決める
横軸の例 | ①悩みの認識 | ②商品認知 | ③比較検討 | ④購入 | ⑤利用 | ⑥再購入 |
ここから、本格的にカスタマージャーニーマップの作成に入ります。
横軸には、顧客の購買プロセスに沿ってステップを記入してください。
商品・サービスによって、ゴールとなるステップは違うはずです。
例えば、購入や契約がゴールとなる場合もあれば、継続利用・リピート購入・ファン化といったゴールも想定できます。
自社の商品・サービスの特性に合わせて、購買プロセスのステップを設定しましょう。
④縦軸に各ステップごとの顧客の心理・行動を書き出す
続いて、設定した横軸に沿って顧客の心理・行動を書き出していきます。
その際は、顧客の気持ちをただ想像するだけでは不十分です。
自社に蓄積しているデータや顧客へのアンケートなどの明確な裏付けがあった方が、より正確に顧客の心理・行動を分析できます。
⑤顧客の行動プロセスごとのタッチポイントを洗い出す
続いて、各ステップごとのタッチポイントを洗い出します。
タッチポイントとは、企業と顧客の接点のことです。
例えば、商品の認知から購入に至るまでのプロセスの中には、CMなどの広告や店頭POP、店員からのレコメンドなどさまざまなものがあります。
商品購入後も、HPからの問い合わせやアプリダウンロード・メルマガ登録など、商品・サービスの特性によってさまざまなタッチポイントを持てるはずです。
⑥マーケティング施策を検討する
横軸・縦軸を見ながら、最適なマーケティング施策を検討していきます。
その際は、各マーケティング施策におけるKPIを設定し、施策の実行後に効果測定できるよう考慮してください。
PDCAサイクルを回せるよう仕組みを構築することで、課題を解決しながら施策をブラッシュアップでき、カスタマージャーニーマップの質も上がっていくはずです。
カスタマージャーニーマップ作成時の注意点
カスタマージャーニーマップを作成する際は、以下の3点に注意してください。
・複数人で一緒に作る ・企業側の憶測だけで作らない ・定期的に見直し・効果検証をする |
複数人で一緒に作る
1人でカスタマージャーニーマップを作成すると、どうしてもその人の主観が強くなってしまいます。
複数人でブレーンストーミングをしながら顧客の心理・行動を分析した方が、より精度の高いカスタマージャーニーマップを作成できるはずです。
また、できればマーケティング部門外の担当者にも参加してもらったり、幅広い世代の人から意見出しをしてもらったりした方がいいでしょう。
企業側の憶測だけで作らない
顧客の心理・行動を分析する際は、企業側の憶測や希望に寄り過ぎないよう注意してください。
「こういう広告を打てば、顧客の心に響くはず」といった極端な思い込みをしてしまうと、実際の顧客の心理・行動とのズレが生じてしまいかねません。
このような失敗を防ぐために、顧客へのアンケートや、これまでに蓄積したデータを参考にしながら、顧客への理解を深めてください。
定期的に見直し・効果検証をする
カスタマージャーニーマップを作成したら、定期的に見直しや効果検証をおこなってください。
設定したKPIを達成できていないのだとしたら、どこかの購買プロセスにおける顧客心理・行動の分析や、そこでとったマーケティング施策が間違えていた可能性があります。
また、顧客の心理や購買行動は、そのときどきの世相やトレンドの影響を受け、変化するものです。
よって、定期的な見直しや、場合によっては全面的な作り直しも必要でしょう。
まとめ
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入するまでのプロセス、そして各ステップごとの顧客の心理・行動や、企業側が起こすアクションを一覧できるようまとめたものです。
顧客への理解を深めることで、マーケティング活動の精度を高めることができます。
もちろん、カスタマージャーニーマップを一度作成しただけで、全てが上手くいくことはないはずです。
見直し・効果測定をしながらPDCAサイクルを回し、徐々に精度を高めていきましょう。
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