ユーザーリサーチとは?具体的な手法と全体像を解説

文字通りユーザーに対する調査を意味するユーザーリサーチ。昨今UXデザイン分野において重要視されているキーワードです。みなさんは、「具体的に何をどうするのか」までご存知でしょうか。

そこで、この記事ではユーザーリサーチの具体的手法と全体像を解説します。

ユーザーリサーチとは?

ユーザーリサーチとは、ユーザーの行動や心理動向、そしてその奥にあるニーズを把握するための調査全般を指す言葉です。

また、「UXリサーチ」と呼ばれることもあります。サービス・プロダクトを通してより良い顧客体験を提供するために欠かせない要素です。

また、ユーザーリサーチは大きく分けると定性的・定量的の2種類に分類されます。

それぞれの具体的な手法については、後ほど詳しく解説します。

ユーザーリサーチの流れ

ユーザーリサーチの流れ

より良いサービス・プロダクトを開発するには、PDCAサイクルを回しながらアイディアの実行・改善を繰り返していかなくてはなりません

ユーザーリサーチはそのための手法であり、全体の流れは以下のようになります。

STEP①全体像の把握・目的の明確化・ユーザーが抱えている課題やニーズの現状を把握する
・リサーチをおこなう目的を設定する
STEP②データ収集ユーザーリサーチの手法やタイミングを決定し、実行する
STEP③データ分析集めたデータをフレームワークを活用しながら分析する
STEP④改善施策の実行分析結果をもとに改善施策を立案し、実行する

定性的ユーザーリサーチの手法

定性的ユーザーリサーチは、ユーザーの心理面などの数値化できない部分を調査するためにおこないます。

発言内容や起こした行動から、相手の価値観や潜在的に抱えている課題・ニーズを探りだすことが目的です。

定性的ユーザーリサーチの具体的手法としては、以下の2つが代表的です。

・ユーザーインタビュー 
・ユーザーテスト

ユーザーインタビュー

ユーザーインタビューは、「ユーザーのことを理解する」という目的において、1番わかりやすく直接的な手法だといえます。

さらに細分化すると、ユーザーインタビューには以下の2種類があります。

種類概要特徴
デプスインタビューユーザーと企業の1対1でインタビューをおこなう・深い話題・踏み込んだ情報を引き出しやすい
・ユーザーが緊張してしまう可能性が高く、話を引き出すテクニックが必要
フォーカスグループインタビュー企業が司会進行役となり、複数人のユーザーで対話をしてもらう・対話によって会話が深まりやすい
・1人の意見に引っ張られてしまったり、発言量が偏ったりする可能性がある

ユーザーインタビューをおこなう際は、ユーザーの回答の予測を立てておくこと。また、そこへの補足の質問なども準備しておくことが大切です。

また、守秘義務や録音・録画への同意をとることも忘れないようにしましょう。

ユーザーテスト

ユーザーテストは、ユーザーに完成したプロダクトやプロトタイプの製品を使用してもらい、その様子を調査する手法です。

具体的な手法としては、タスクテストが一般的です。プロダクトを使用してユーザーにタスクを実行してもらいます。そして、タスク実行率の計測・感想のヒアリングをおこないます。

また、ユーザーがプロダクトを使用する現場に出向き、ユーザーを観察したり、自らが使用してみたりすることをフィールドワーク、企業側が用意した会場にユーザーを集めてテスト調査をおこなうことをセントラルロケーションテストといいます。

定量的ユーザーリサーチの手法

定量的ユーザーリサーチとは、明確な数値としてのデータ取得を目的とした調査のことを指します。

数値化されたデータは分析しやすく、顕在的なユーザーの課題・ニーズの把握に向いたリサーチ手法です。

具体的には、以下の2つの手法が代表的です。

・ユーザーアンケート
・ABテスト

ユーザーアンケート

ユーザーアンケートとは、複数のユーザーに対してアンケート調査をおこなう手法です。そして、ユーザーが抱えるニーズ・課題を把握します。

Web上で調査をすれば費用も大きくかかりません。よって、リスクが少ないユーザーリサーチの手法といえます。

ただし、アンケートの回収率を上げるために、導線や回収方法の工夫を凝らす必要があります。

また、定量調査が目的のため、回答の選択肢に曖昧なワードを使わないよう注意しなくてはなりません。

例えば「時々」や「最近」といったワードは、人によって解釈が異なります。

「週に〇回」などの具体的な表現を用いて、回答者にこちら側の意図が伝わるようわかりやすい文章表現を心掛けてください。

ABテスト

A/Bテストとは、AパターンとBパターン、どちらの方が選ばれるかなどを計測する手法です。

クリック率やコンバージョン率などを計測し、WebサイトのUX調査に適しています。

場合によっては、Cパターン以降の選択肢を用意して調査しても大丈夫です。

まとめ

ユーザーリサーチは、ユーザーが抱える課題やニーズを把握するために、UXデザイン分野において重要なアクションです。

どの調査方法が適切かは、サービス・プロダクトの性質によって異なります。

また、ユーザーリサーチをすること自体がゴールではありません。あくまで、より良いサービス・プロダクトを開発するためのプロセスの1つです。

まずは、ユーザーリサーチをおこなう目的を明確に定めましょう。そして、それに合わせて適切な調査方法を選択してください。

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