UXデザインのKPIには 何を設定する? ポイントや指標の例を解説

UXデザインのKPIには何が適切なのか、悩んでいませんか?また、そもそも何のためにKPIを設定するのかをご存じでしょうか。

この記事では、UXデザインにKPI設定が必要な理由や、KPI設定する際のポイント・具体的な指標の例をご紹介します。

適切なKPIを設定し、自社のプロダクトをより良いものにしましょう。

UXデザインにKPIの設定が必要な理由

UXとは、サービス・プロダクトなどを通してユーザーが得る顧客体験のことです。それをより良いものにできるよう設計することがUXデザインです。

そこにKPIが必要な理由は、自社が想定した顧客体験と実際のユーザーが得ている体験にズレが生じていないか把握するためです。

つまり、「〇〇の数値が××に達したら、この活動はうまくいっている」と判断するための指標が、UXデザインにおけるKPIの意味合いになります。

KPIと実際の数値との乖離を分析することで、問題点を抽出・改善を進めたり、タスクの優先順位を判断したりと、より生産的な活動をおこなえるようになるはずです。

また、KPIは課題や目標などをステークホルダーに共有する際にも役立ちます。

客観的な数値に基づいた議論ができるため、予算やプロモーション方法の決定をする際の判断材料になるでしょう。

UXデザインのKPIを設定する際のポイント

UXデザインのKPIを設定する際は、以下の2点に注意してください。

・目的や目標に関連した指標を設定する
・ユーザーの心理を可視化できる指標を設定する

目的や目標に関連した指標を設定する

KPIには、プロダクトが存在する目的に基づいた指標を設定することが大切です。

例えば、登録者数の増加を目的としたWebサイトに再訪率に関するKPIを設定するのは的外れでしょう。逆に、リピーターの獲得を目標としているなら、重要なKPIとなります。

このように、UXデザインのKPIは目的・目標に合わせて設定することが大切です。

KPI設定の基本的な考え方は、以下の記事を参考にしてください。

>>>KPI設計とは?効果的な進め方とポイント・注意点を解説

ユーザーの心理を可視化できる指標を設定する

UXデザインのKPI設定は、ユーザーの心理を可視化できる指標を設定しましょう。

そのためには、顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでのステップを可視化したカスタマージャーニーマップと連動させる必要があります。

カスタマージャーニーマップの作り方やポイントは、以下の記事を参考にしてください。

>>>カスタマージャーニーマップとは?作り方6ステップと注意点を解説

UXデザインのKPIに設定すべき指標の例6選

UXデザインのKPIに設定すべき指標の例6選

最後に、UXデザインのKPIに使われる指標の例として、代表的なものを6つ紹介します。

・広告のクリック率
・直帰率
・タスク成功率
・タスク処理時間
・再訪率
・UGC数

広告のクリック率

クリック率は、広告が表示された回数に対してクリックされた回数の割合を示します。これは、広告の文言やデザインが適切かを判断するための指標として適しています。

例えば、同じ商品の紹介でも、広告のデザインによってクリック率が変動することがあります。

ユーザーはどのようなデザイン・文言の広告に惹かれるのかといった、ユーザーの心理を読み取る手法としても有用です。

直帰率

直帰率とは、ユーザーが最初のページを閲覧しただけで離脱した割合を示します。

例えば、バナー広告からの流入先に設定したページの直帰率が高かったとします。その場合、ページに「ユーザーが求めている情報がなかった」と判断できるでしょう。

「商品購入ページ」の直帰率が高いのなら、ユーザーは「すぐに商品を購入したいのではなく、商品の詳細を知りたい」と考えているのかもしれません。

このように、直帰率からユーザーの心理を読み取ることができ、より適切な導線を設計するためのヒントとなります。

タスク成功率

タスク成功率とは、ユーザーに与えたタスクを正常に実行できた割合のことを指します。

例えば、10人のユーザーに対して「自社サイトで黒のズボンを購入する」というタスクを与えたとします。

そのうち、「クレジット情報の入力エラー」「該当商品を見つけられなかった」などの要因で、4人のユーザーがタスクを実行できなかったとします。このとき、タスク成功率は60%です。

タスクを実行できなかった要因を分析することで、自社サイトの問題点やユーザーが離脱してしまう要因を抽出することができます。

また、タスク実行率が低い場合はその分多くのユーザーが離脱していると考えられるでしょう。

タスク処理時間

タスク処理時間とは、ユーザーに与えたタスクを正常に実行するまでにかかった時間の平均値のことです。

前述した例でいうと、「自社サイトで黒のズボンを購入する」というタスクを実行できた6人が、タスクを完了させるまでにかかった時間の平均値を算出します。

基本的に、タスク処理時間は短ければ短いほどUXが高いと判断できます。

つまり、タスク処理に長時間かかっているようなら、「サイトが重い」「必要な情報を見つけにくい」といった問題点が想定できるでしょう。

再訪率

再訪率とは、ユーザーがそのサイトにリピートして訪れた割合を示す数値です。

これが高ければ高いほど、それだけ顧客ロイヤリティが高い状態であると判断できます。

例えば、「サイト内に動画を埋め込んだら、先月よりも再訪率が高まった」とします。

この場合、動画の紹介がユーザーへの適切なコミュニケーションだったということです。

UGC数

UGC数は、User Generated Contentsの略語です。顧客によって生成・投稿されたレビューコンテンツの数を指します。

UGC数の計測は、エゴサーチボットなどのツールを利用すると便利です。

UGC数が向上ると、その時期のプロモーションが適切だったと判断できるでしょう。

例えば、SNSやYouTube動画の投稿に伴ってUGC数が向上したとします。そうすると、自社が投稿したコンテンツによってユーザーの興味を惹きつけることができたと判断できます。

まとめ

UXデザインのKPI設定は、自社が想定した顧客体験と実際のユーザーが得ている体験にズレが生じていないかを把握するために必要なものです。

KPIの達成状況や詳細を分析することで、UXデザインの精度を高められます。

そのためには、目的・目標に沿ったもの・ユーザー心理を可視化できるものを指標にすることが大切です。

自社のプロダクトをより良いものにしていくために、適切なKPIを設定してください。

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